オンボーディングとは
オンボーディングは、人事において特に使用される用語で、新しく採用された社員を企業に導入するプロセスを指します。オンボーディングは、従業員が新しい職務や仕事の要件、会社のミッションや文化を理解するのを助ける重要なプロセスです。このプロセスは、従業員が仕事のオファーを受け入れた瞬間から始まり、その従業員が役割に慣れ、成果を上げるようになるまで続きます。
オンボーディングには、社員を企業にとって有用な人材にするだけではなく、社員が同僚と自由に交流し、職場で快適に過ごせる環境を作ることも含まれます。
そのため、オンボーディングは人事部門だけの仕事ではありません。直属の上司の責任でもあり、直属の上司は社員に会社での役割、期待される成果などをオンボーディング中に説明する必要があります。
さらに、オンボーディングは新入社員だけに関連するものではありません。社員は新しい役割に異動することもあります。これはクロスボーディングと呼ばれ、この記事の後半で説明します。こうした元からいる社員は組織文化に精通しているかもしれませんが、チームの文化は異なる場合があります。
オンボーディング体験と従業員のエンゲージメント・定着率は密接に関連しており、良いオンボーディング体験が提供できれば、社員の離職を防ぐことができるかもしれません。
従業員オンボーディングの流れ
1. 会社のミッションや福利厚生に関する情報を提供する
社員が入社した初日に、会社のポリシーや社員の福利厚生に関する包括的な情報を提供しましょう。オンボーディング資料には、会社の規約から保険、納税義務、有給休暇の取り方、もしある場合は、多様性に関する会社のポリシーまで、さまざまな内容を含めましょう。
社内の情報が一箇所にまとまっていると、オンボーディングは新入社員にとっても、人事・直属の上にとっても、ぐっと楽になります。例えば、Kipwiseのような社内Wikiツールを使って、社内のマニュアル・人事ルールなどを一箇所にまとめましょう。社員が自分自身で情報を見つけることを促す機能も満載です。また、Kipwiseではリーディングリストを設定することもできます。新入社員に絶対に読んでおいてほしい社内Wikiページを選び、オンボーディング必読リストを作成しましょう。
2. 社員の役割を明確にする
これは、人事部門ではなく、社員の直属の上司が行う必要があります。最初の30日間程度で、新入社員が、自分の役割を徐々に理解し、責任を負って仕事をしていく体制を整えるといいでしょう。
また、仕事は1人ではできないことがほとんどです。仕事を完了するために、主に誰と協力すればいいのか、他の社員たちを紹介しましょう。
3. 会社のカルチャーを伝える
会社により馴染んでもらうようにすることは一過的なものではなく、継続的なプロセスです。それでも、人事と上司は、従業員が入社するときに、会社のカルチャーを伝えておくといいでしょう。例えば、社内でのコミュニケーションの方法、会社が重視する価値観などが含まれます。
4. 同僚との社会的つながりを築く
これは必ずしも上司や人事が直接的にコントロールできる部分でありませんが、たとえ新入社員があまり溶け込みたがらない場合でも、従業員間のコミュニケーションを促進するのはマネージャーや人事部門の仕事です。
多くの企業では、新入社員のバディ(相棒)制度を採用しており、上司とは別に、職場での新入社員のあらゆる業務を手助けする社員を1人配置しています。
新入社員が同僚たちといい関係が築けるように、歓迎ランチなどを設けるのもいいかもしれません。
従業員のオンボーディングにはどのくらいの時間がかかる?
組織によって異なりますが、オンボーディングにかかる時間は以下の4つのフェーズに分類できます。
- 1日から1週間: 新入社員に、会社の規約・ポリシーや、自分の役割を理解してもらう段階。
- 1週間から3か月: 新入社員に、職務を遂行できるようトレーニングし、身近な同僚との関係を築き、会社のカルチャーを理解するのを助ける期間。
- 3か月から6か月: 新入社員のパフォーマンスを評価し、最適な業務遂行に必要なリソースが揃っていることを確認する期間。また、新入社員にこれまでのオンボーディングに関する感想を聞いて、改善点を探しましょう。
- 6か月から1年: 社員は、自身の役割、会社、業界について理解を深め、会社の有用な人材として活躍しています。
従業員オンボーディングに大切なこと
1. 仕事内容が求人と一致していることを確認する
多くの場合、従業員は特定の役割を約束されますが、実際に担当する業務の詳細を確認すると、期待とは異なることがあります。従業員が、オファーを受け入れる前に仕事の内容について十分な情報を得ていなかったと感じることは、意外とあるあるです。
この問題に対処するためには、透明性のある採用および面接プロセスが必要です。実際の業務内容ではなく、候補者が望む職務内容に基づいて採用すると、後々大きな問題になる可能性があります。
2. 会社のポリシーを社内マニュアルなどでうまく管理して提供する
従業員の定着が難しい理由の一つとして、入社時に会社の方針について十分な情報が提供されなかったことが挙げられます。例えば、有給休暇に関する方針が事前に明確にされていないことが原因で、従業員が早期に退職することがあります。
しっかりと文章化された社内Wiki・社内ナレッジを最初に共有することで、従業員が新しい仕事を始める際に必要なすべての情報を確実に提供できます。
Kipwiseなどの社内マニュアル作成ツール・社内ナレッジベースを利用すると、簡単に共有することができます。Web上でまたはSlackから直接、社内マニュアルを追加・編集・検索できるので、マニュアルを作る側(人事・上司)にとっても、マニュアルを読む側(新入社員など)にとっても、便利なツールです。生成AIも搭載しているので、社内の知識に基づいてKipwiseボットが自動回答してくれます。
3. 孤立したオンボーディング体験を避ける
新入社員を個別に扱うよりも、グループでオンボーディングする方がストレスが軽減されるため、ネガティブなオンボーディング体験を防ぐことができます。
しかし、常に複数人の新入社員がいるわけではないでしょう。そうした場合は、前向きな企業文化と同僚とのサポートがあれば、この負担は軽減されます。直属の上司や同僚からのサポートは、新しい環境にいるストレスを和らげます。
Kipwise:オンボーディングを助ける社内ナレッジベース
Kipwiseは、オンボーディングプロセスを支援するための強力な社内ナレッジベースツールです。これにより、新入社員が組織に早く溶け込むためのサポートを提供します。
情報の集約と管理
- 社内のマニュアルや人事ルールを一箇所に集約し、簡単に作成、共有、検索が可能。
- 新入社員が必要な情報に迅速にアクセスでき、オンボーディングをスムーズに進めることができる。
リーディングリスト機能
- 新入社員に必読の社内資料を整理し、最適な学習体験を提供。
- 必要な情報を段階的に学ぶことで、効果的な知識習得が可能。
生成AIによる自動回答
- 社内の知識に基づいた自動回答を提供し、社員の疑問を即座に解消。
- 日々の業務中に生じる質問に対して迅速に対応し、生産性を向上。
これらの機能を活用することで、新入社員のオンボーディング体験が向上し、組織への適応がスムーズになります。Kipwiseは、社員が安心して仕事に取り組める環境を整えるための強力なパートナーとなります。
14日間無料お試しができます(カード情報入力なし)。ぜひ使い心地を確かめてくださいね。
番外編!クロスボーディング(社員の異動)とオフボーディング(社員の退職)
クロスボーディング
クロスボーディングとは、外部の人材を雇う代わりに、既存の従業員を社内の新しい役割に活用することです。従業員をトレーニング、スキルアップ、または再教育することで、組織は従業員が新しい役割を担えるように支援します。これらの従業員もオンボーディングする必要があり、新しい報告構造、仕事で必要となる新しいスキルセット、新しい主要業績評価指標に関する情報が提供されます。
オフボーディング
オフボーディングは、組織が従業員を退職させる際に重要なプロセスであり、慎重に対応することが求められます。冷淡な対応は、従業員に失望や恨みを抱かせ、将来的な再雇用の可能性を閉ざすリスクがあります。これを避けるためには、まず退職時にも温かく親しみやすい態度を保ち、従業員の達成を祝うことで良い思い出を作ることが大切です。次に、退職の理由や問題点を理解するためにフィードバックを集めることが重要です。最後に、すべてのセキュリティプロトコルや規制が遵守されていることを確認することで、退職管理プロセスを確実なものにすることが求められます。これらのステップを踏むことで、円満な退職を実現し、将来的なリレーションシップを維持することができます。
まとめ
社員オンボーディングは、新入社員が会社にスムーズに適応し、生産的なメンバーとなるための重要なプロセスです。オンボーディングは、単に業務を理解させるだけでなく、会社のカルチャーに馴染み、同僚との良好な関係を築くことを目的としています。従業員が役割をしっかり理解し、必要な情報やツールに簡単にアクセスできるようにするためには、Kipwiseのような社内ナレッジベースツールが非常に有効です。オンボーディングが成功すれば、社員の定着率が向上し、企業全体のパフォーマンスが向上します。また、クロスボーディングやオフボーディングのようなプロセスも、同様に慎重かつ戦略的に進める必要があります。社員が最初から最後まで前向きな体験をすることが、長期的な成功に繋がります。