近年、AI(人工知能)の技術は飛躍的に進化し、実際のビジネス現場での活用が急速に広がっています。かつては限られた大企業のみの取り組みでしたが、今では中小企業やスタートアップでもAIを積極的に導入するケースが増えています。
この記事では、「AIを活用している企業」をテーマに、業界別の具体的な事例を紹介しながら、AI導入のメリット・課題・成功のポイントを解説します。
なぜ今、企業でAI活用が進んでいるのか?
以下のような背景があります:
- ChatGPTをはじめとした生成AI(Generative AI)の一般化
- 人手不足・業務効率化ニーズの高まり
- クラウドAIツールの登場で導入コストが大幅に低下
- APIやノーコードツールによって、専門知識がなくても使える時代に
業界別:AIを活用している企業事例【2025年最新版】
🔸 金融業界
● 三菱UFJ銀行
- 活用領域:融資審査・顧客対応・生成AI導入
- 具体内容:コールセンターや提案書作成で生成AIを活用し、企業・富裕層向けの提案業務を効率化。2024年11月に行員4万人を対象にChatGPTの利用を開始し、月22万時間以上の労働削減効果を試算
- 投資規模:2027年3月期までの3年間で約500億円の投資を見込む
🔸 製造業
● トヨタ自動車株式会社
- 活用領域:自動運転技術・モビリティAI基盤・製造現場の業務効率化
- 具体内容:NTTと共同で「モビリティAI基盤」を開発し、交通事故ゼロ社会の実現を目指す。2025年からスタートし、2030年までに5,000億円規模の投資を予定。Google Cloudとのハイブリッドクラウドで製造現場が自らAIモデルを開発できる「AIプラットフォーム」を運用
- 最新動向:2025年、グループ5社で「トヨタソフトウェアアカデミー」を発足し、AI・ソフトウェア人財の育成を強化
🔸 小売・EC業界
● ユニクロ(株式会社ファーストリテイリング)
- 活用領域:需要予測・在庫管理
- 具体内容:2018年からGoogleと共同でAIを活用した需要予測システムを導入。天候やトレンドなど大量のデータをAIで解析して必要な商品枚数を予測
- 現状:需要予測は「まだ3合目」(柳井正会長談)として継続的な改善を進めている
🔸 メディア・広告業界
● 電通グループ
- 活用領域:広告クリエイティブ生成・効果予測・コピー作成
- 具体内容:「∞AI(ムゲンエーアイ)」を提供し、訴求軸発見・クリエイティブ生成・効果予測・改善サジェストの4つのプロセスでAIを活用。コピーライターの思考プロセスを学習したAI広告コピー生成ツール「AICO2」を開発
- 戦略:2024年8月に「AI For Growth」戦略を発表し、2025年5月に「AI For Growth 2.0」へ刷新
🔸 教育・人材業界
● リクルート(スタディサプリ)
- 活用領域:個別学習レコメンド・アダプティブ学習
- 具体内容:学校向けスタディサプリでAI搭載のアダプティブ学習機能を提供。生徒の過去の学習履歴データをもとに、AIが個別の習熟度とつまずきポイントを判定し、最適なコンテンツを推奨
- 研究機関:2019年に「スタディサプリ教育AI研究所」を設立し、AI・ビッグデータを活用した教育の可能性を研究
海外企業のAI活用事例【2025年最新版】
🔸 米国企業
● Amazon Web Services (AWS)
- 活用領域:クラウドAI・機械学習プラットフォーム
- 具体内容:Amazon SageMaker、Amazon Bedrock等の包括的なAIサービスを提供。2024年に「AWSジャパン生成AI実用化推進プログラム」を開始し、150社以上が参加。10万社以上の顧客が機械学習にAWSを選択
- 2025年動向:新プレミアムプラン「Google AI Ultra」や3つのコース(モデルカスタマイズ・モデル活用・戦略プランニング)を設定
● Google(Alphabet)
- 活用領域:生成AI・検索・クラウドサービス
- 具体内容:Gemini 2.5 Proが開発者向けのベンチマークで世界トップレベルの性能を達成。2024年にBardからGeminiにリブランドし、マルチモーダルAIとして進化
- 最新機能:2025年5月のI/Oで発表されたImagen 4(画像生成)、Veo 3(動画生成)、Deep Research機能
● Tesla
- 活用領域:自動運転・AI・ロボティクス
- 具体内容:FSD(Full Self-Driving)でEnd-to-End AI方式を採用。2025年にテキサス州とカリフォルニア州で監視不要の自動運転を計画。膨大な走行データを活用したAI学習を実施
- 技術革新:Version 13では30万行のC++コードを単一のニューラルネットワークに置き換え
- 将来計画:2026年にロボタクシー「Cybercab」の生産開始予定
🔸 中国企業
● 百度(Baidu)
- 活用領域:生成AI・自動運転・検索エンジン
- 具体内容:生成AI「文心一言(ERNIE Bot)」を開発し、中国政府承認の8社の一つとして一般向けサービスを提供。自動運転AI「アポロ」を搭載した完全無人タクシーが武漢市、重慶市、北京市などで運行
- 投資状況:国内AIスタートアップ支援のため1億4500万ドルの生成AIファンドを設立
- 出典:ジェトロ、日経クロステック
● アリババ集団
- 活用領域:クラウドAI・EC・生成AI
- 具体内容:生成AI「通義千問(Tongyi Qianwen)」を開発。2025年3月に今後3年間で約8兆円をクラウド・AIインフラに投資すると発表(過去10年間の投資総額を上回る規模)
- AI戦略:零一万物(01.AI)や百川智能(Baichuan AI)などの国産大規模言語モデル開発企業に出資
- 出典:ジェトロビジネス短信、東洋経済オンライン
AI活用で得られる主なメリット
- ✅ 業務効率化(人件費の削減、作業時間短縮)
- ✅ 顧客満足度向上(パーソナライズ対応)
- ✅ 意思決定の迅速化(リアルタイムデータ分析)
- ✅ 新規ビジネスの創出(自動生成コンテンツやAIプロダクト)
とはいえ、AI導入には課題もある
- ❌ 社内データが整理されていないとAIの精度が落ちる
- ❌ 社員がAIを活用できず属人化する
- ❌ セキュリティ・コンプライアンスのリスク
- ❌ 利用コストや開発・運用リソースの不足
社内情報を活かしたAI活用ならKipwiseが選ばれる理由
AIを使いこなすには、ただ導入するだけでは不十分です。重要なのは、社内で共有されるナレッジやドキュメントを活かし、AIと連携させることです。
そこでおすすめなのが、Kipwiseです。

💡 Kipwiseとは?
- SlackやGoogleドキュメントと連携できる社内ナレッジ共有ツール
- Slack上での質問に、AIがナレッジベースから即座に回答
- 社内ドキュメントやQ&Aを自動でナレッジ化
- 営業・サポート・開発チーム間の情報格差をなくす

✅ こんな企業に最適です
- AIを導入したが、活用がチーム内で進まない
- 社内ドキュメントがバラバラで探しにくい
- ChatGPTに社内情報を学習させられず困っている
まとめ:AIを活用している企業は「人×ナレッジ×技術」の連携がカギ
AIはもはや一部のテック企業だけのものではありません。実際に多くの企業が、業務のあらゆる場面でAIを活用し始めています。
一方で、AIを効果的に活用するには、社内の知識や業務プロセスとの連携が不可欠です。「AIで自動化したい。でも、チームでどう共有する?」と悩んだら、Kipwiseのようなナレッジ基盤ツールを活用することで、AI導入の真の価値を引き出すことができます。
参考資料・出典
三菱UFJ銀行
- 三菱UFJ、「AIで営業」視野に 3年で500億円投資 - 日本経済新聞
- 三菱UFJ銀行、生成AIで月22万時間の労働削減と試算 - 日本経済新聞
- 三菱UFJ銀行が法人営業に生成AIを活用──成功のポイントを明かす - EnterpriseZine
トヨタ自動車
- NTTとトヨタ自動車、交通事故ゼロ社会の実現に向けた「モビリティ×AI・通信」の共同取り組みに合意 - トヨタ自動車公式サイト
- モビリティ×AI・通信で交通事故ゼロへ NTT・トヨタ協業 - トヨタタイムズ
- トヨタ: 製造現場が自らモデル生成できる "AI プラットフォーム" を Google Cloud とのハイブリッド クラウドで開発・運用 - Google Cloud公式ブログ
- トヨタグループ5社、AI・ソフトウェアの人財育成とイノベーションを加速 - トヨタ自動車公式サイト
ユニクロ(ファーストリテイリング)
- 需要予測はユニクロでさえも大苦戦…AIの予測はなぜ当たらないのか - FULL KAITEN
- ファストリ、需要予測にAI 「エアリズム」など年内に - 日本経済新聞
- 目指すは究極の"個客"対応。ファーストリテイリング「デジタル改革」の本気度 - TECH PLAY Magazine
電通グループ
- 国内電通グループ、独自のAI戦略を新ビジョン「AI For Growth」として発表 - 電通公式サイト
- 電通コピーライターが長年培ってきた思考プロセスを学習した AI広告コピー生成ツール「AICO2」を開発 - 電通公式サイト
- 4つのAIが、デジタル広告のクリエイティブを無限に改善し続ける! - ウェブ電通報
- 電通、博報堂が独自AI開発 生成AIは代理店の原点に立ち返る契機 - 日経クロストレンド
リクルート(スタディサプリ)
- 学校向け『スタディサプリ』でAI搭載・アダプティブ学習機能の提供開始 - リクルート公式サイト
- リクルート、学校向け「スタディサプリ」でAI搭載・アダプティブ学習機能を追加 - ICT教育ニュース
- 『リクルート次世代教育研究院』は5月より『スタディサプリ教育AI研究所』へ - PR TIMES
海外企業の参考資料・出典
Amazon Web Services (AWS)
- AWS での機械学習 (ML) - 公式サイト
- AWS(アマゾン ウェブ サービス)が生成AI実用化を支援するプログラムの成果を発表 - About Amazon
- 機械学習 - AWS Machine Learning のお客様事例
Google(Alphabet)
- Gemini アプリ: Google I/O 2025で発表した7アップデート - Google公式ブログ
- Google I/O 2025: Google DeepMind から Gemini 2.5 のアップデート - Google公式ブログ
- Googleが「Gemini Ultra」提供開始、Bardを廃止しサービス名も「Gemini」に統一 - 日経クロステック
Tesla
- テスラの自動運転(Autopilot, FSD)とロボタクシー計画を徹底解説 - 自動運転ラボ
- 最先端独走へ? テスラの最新FSD バージョン13と加速するAI開発投資 - EVsmartブログ
- AIとロボティクス - Teslaジャパン公式サイト
百度(Baidu)
アリババ集団
※本記事の情報は2025年6月時点での公開情報をもとに作成しています。各企業の最新の取り組みについては、公式サイトをご確認ください。