現代のビジネス環境において、SlackとNotionの組み合わせは多くの企業で標準的な業務ツールとなっています。しかし、情報がSlackのメッセージとNotionのドキュメントに分散し、必要な情報を見つけるために時間を浪費していませんか?
Notion AIとSlackの連携機能は、この課題を根本的に解決する革新的なソリューションです。2025年現在、この連携により企業の情報活用効率が飛躍的に向上し、チームの生産性を大幅に改善することが可能になっています。
本記事では、Notion AIとSlack連携の最新機能、設定方法、具体的な活用例、そして2025年の料金体系変更について詳しく解説します。
Notion AIとSlack連携とは?
Notion AIコネクターの中核機能
Notion AIとSlack連携は、Notion AIコネクターの主要機能の一つとして提供されています。この機能により、SlackワークスペースのメッセージやスレッドをNotion AI上で横断的に検索・要約することが可能になります。
従来のNotionでは、ワークスペース内の情報のみが検索対象でしたが、Slack連携により以下のような情報も統合して活用できるようになりました:
- チャンネルでの議論内容
- プロジェクト関連のスレッド
- 過去の決定事項や合意内容
- チームメンバー間のやり取り
重要な注意点: 現在のSlack連携は、Notion内でSlackの情報を検索・要約する機能に限定されています。Slack内で直接Notion AIを操作することはできませんので、ご注意ください。
情報の一元管理を実現する仕組み
Notion AIは自然言語で質問を受け付け、Slackの膨大な会話履歴から関連する情報を抽出し、参照元を明示しながら回答を提供します。これにより、以下のような効果が実現されます:
- 情報検索時間の大幅短縮:複数のツールを行き来する必要がなくなります
- 知識の可視化:埋もれていた重要な議論や決定事項を発見できます
- チーム連携の強化:異なるチャンネルの情報も統合して把握可能です
Slack連携の具体的な機能とメリット
会話履歴の横断検索機能
Notion AIとSlackを連携すると、以下のような高度な検索・要約機能が利用できます:
プロジェクト進捗の一括確認「Project Albatrossの最新状況とブロッカーを教えて」のような質問に対し、関連するSlackチャンネルでの議論を検索し、進捗状況やボトルネックを整理して回答します。
会議フォローアップの自動化会議後のアクションアイテムや決定事項をSlackのスレッドから抽出し、Notionページに整理して保存することが可能です。
注意: SlackメッセージからNotionタスクの完全自動作成などの高度な自動化は、Notion AI単体では限定的です。より複雑なワークフローにはZapierなどの外部ツール連携が必要な場合があります。
チーム間の情報共有促進
部門を跨いだ情報連携:営業チームのSlackチャンネルでの顧客フィードバックを、プロダクト開発チームがNotion AI経由で簡単に参照できるようになります。
ナレッジ管理の効率化:過去のトラブルシューティングやベストプラクティスの共有がSlackで行われた場合も、Notion AIが該当する情報を瞬時に見つけ出し、新しいチームメンバーの学習を支援します。
意思決定の迅速化
背景情報の迅速な収集:重要な意思決定を行う際、関連するSlackでの過去の議論や専門家の意見を素早く収集し、より良い判断を下すことができます。
ステークホルダーとの調整効率化「このプロジェクトについて○○さんはどう考えていましたか?」のような質問に対し、該当する人物のSlack発言を検索して確認できます。
連携設定方法(2025年最新版)
設定の前提条件
Notion AIとSlackの連携設定には、以下の権限が必要です:
- Notionワークスペースのオーナー権限
- Slackワークスペースの管理者権限(または管理者による承認)
- ビジネスプラン以上のNotion契約(2025年8月以降)
ステップバイステップ設定手順
Step 1: Notion AIコネクターへのアクセス
- Notionの設定画面から「設定 → Notion AI」を選択
- 「AIコネクター」セクションでSlackを確認
- Slackの横にある「+」ボタンをクリック
Step 2: Slack認証の実行
- Slackのログイン画面が表示されるので、管理者アカウントでサインイン
- Notion AIからのアクセス許可要求を確認
- 重要: 連携対象となるチャンネルは、Slack管理者権限で許可されたチャンネルのみとなります
- 「許可する」をクリックして認証を完了
Step 3: 連携の確認と調整
- 連携完了後、対象チャンネルにNotion AIからの通知メッセージが投稿されます
- 設定画面で連携状況を確認
- 必要に応じて連携チャンネルの追加・削除を行います
権限設定とプライバシー管理
アクセス権限の制御
- ユーザーは自分がアクセス権限を持つSlackチャンネルの情報のみ検索可能
- プライベートチャンネルやDMは現在検索対象外
- チーム外の機密情報への不正アクセスは防止されています
データ取り込みの範囲
- パブリックチャンネルのメッセージが検索対象
- ファイル添付やリンク共有も検索対象に含まれます
- メッセージの編集や削除も反映されます(最大72時間で同期)
トラブルシューティング
接続がうまくいかない場合
- 管理者権限の確認:NotionとSlack両方で適切な権限があるか確認
- ブラウザのクッキー設定:サードパーティクッキーが許可されているか確認
- ネットワーク環境:企業ファイアウォールがOAuth認証をブロックしていないか確認
検索結果が表示されない場合
- データ同期の待機:初回連携後、最大72時間の同期時間が必要
- アクセス権限の確認:検索したい情報へのアクセス権限があるか確認
- 検索範囲の設定:Notion AIの検索範囲設定でSlackが選択されているか確認
利用制限・料金・プラン(2025年最新情報)
2025年8月の重要な変更点
ビジネスプラン必須化2025年8月13日以降、Notion AIとSlackの連携機能はビジネスプラン以上でのみ利用可能となりました。従来のアドオン形式は廃止され、プラン統合型に移行しています。
料金体系の変更
- ビジネスプラン:年払い20ドル/ユーザー/月、月払い24ドル/ユーザー/月
- エンタープライズプラン:要お問い合わせ
- AI機能は追加料金なしで無制限利用可能
※注意: 料金は米ドル表記のため、為替変動により日本円での実際の支払い額は変動します。最新の円換算価格については公式サイトでご確認ください。
プラン別機能制限
無料・Plusプランの制限
- ワークスペースあたり20回のAI応答トライアルのみ
- Slack連携機能は利用不可
- アップグレード後も機能制限は継続
ビジネス・エンタープライズプランの特典
- Slack連携を含むすべてのAIコネクター機能
- 無制限のAI応答回数
- 高度な管理機能とセキュリティ設定
既存ユーザーへの影響
AIアドオン契約者:2025年5月13日以前にNotion AIアドオンを契約していたユーザーは、契約を維持する限り既存の機能を継続利用可能です。
移行期間の対応:2025年8月13日までにアップグレードしない場合、90日間の移行期間が提供され、その後機能が停止されます。
実際の活用シーン・事例紹介
プロジェクト管理での活用
ケース1: 開発プロジェクトの進捗管理
開発チームリーダーが「ユーザー認証機能の進捗はどうなっていますか?」とNotion AIに質問すると、関連するSlackチャンネルでの技術的な議論、進捗報告、ブロッカー情報を統合して回答します。
活用効果
- 毎日の進捗確認会議が不要になり、30分/日の時間節約
- リアルタイムでの課題把握により、問題解決が迅速化
- チームメンバーの作業状況を網羅的に把握可能
カスタマーサポートでの活用
ケース2: 顧客対応履歴の検索
サポートチームが「○○社の過去の問い合わせ内容を教えて」と質問すると、該当顧客に関するSlackでの社内議論、対応履歴、解決策を整理して表示します。
活用効果
- 顧客対応時間が平均40%短縮
- 過去の対応パターンを活用した一貫性のあるサポート
- 新人スタッフの早期戦力化
リモートワーク環境での活用
ケース3: 分散チームの情報共有グローバルチームで「東京オフィスの新製品についての議論を教えて」と質問すると、時差のある複数チャンネルでの関連議論を時系列で整理して共有します。
活用効果
- タイムゾーンを跨いだ効率的な情報共有
- 重要な議論の見落としを防止
- チーム間の連携強化と意思決定の迅速化
人事・組織管理での活用
ケース4: チームビルディングとナレッジ管理新しいマネージャーが「このチームの過去の成功事例や課題を教えて」と質問すると、チームの Slack履歴から学んだ教訓、ベストプラクティス、改善点を抽出します。
活用効果
- 新任管理者のオンボーディング期間短縮
- 組織の暗黙知の可視化と継承
- チーム文化と価値観の理解促進
Slack中心のチームなら:Kipwiseという選択肢も
Kipwise(キップワイズ) は、Slackと連携して使えるナレッジ共有・管理ツールです。Slack内での質問にAIが自動で回答したり、やりとりをそのまま社内Wikiに保存したりと、チーム内の情報共有を自然な流れで行える点が特長です。

Kipwiseの主な特徴
- /kipwiseコマンドで、Slack内から社内ナレッジをすばやく検索
- Slackの質問にAIが回答候補を提案し、即座に疑問解決
- 回答は自動でナレッジとして保存され、属人化を防止
- Google DocsやConfluenceなど外部ツールとも連携可能
- SlackからでもWebポータルからでも社内Wikiを追加・編集できる
Slack中心で業務を進めているチームにとっては、Notion AIよりも即時性と実用性に優れた選択肢となる場合があります。
Notion AIとKipwiseの比較
まとめ: Notion AIは文章作成や個人の作業効率化に優れている一方、Kipwiseはチーム内でのナレッジ共有とSlack連携に特化しています。用途や業務スタイルに応じて最適なツールを選択することが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q1: Slackのプライベートチャンネルは検索できますか?
A: 現在、Notion AIはSlackのパブリックチャンネルのみを検索対象としています。プライベートチャンネルやダイレクトメッセージは検索対象外です。ただし、ユーザーフィードバックに基づいて今後のアップデートで対応が検討されています。
Q2: 複数のSlackワークスペースを連携できますか?
A: 現在は1つのNotionワークスペースに対して1つのSlackワークスペースのみ連携可能です。複数のSlackワークスペースとの同時連携は現在サポートされていません。
Q3: セキュリティ面で注意すべき点はありますか?
A: 以下のセキュリティ対策が実装されています:
- ユーザーは自分がアクセス権限を持つ情報のみ検索可能
- 顧客データをAIモデルのトレーニングに使用しない
- 企業のプライバシーポリシーに準拠した厳格な管理
Q4: 連携解除や設定変更はどう行いますか?
A: Notionの「設定 → Notion AI」画面から、接続済みのSlackコネクターの⚙️アイコンをクリックし、設定の調整や連携解除が可能です。解除後はSlackの情報は検索対象から除外されます。
Q5: 新しいSlackメッセージが検索対象になるまでの時間は?
A: 通常、新しいメッセージは数分から数時間で検索対象となります。大量のデータがある場合は最大72時間かかる場合があります。
Q6: Slack連携でどの程度の情報量まで対応できますか?
A: 具体的な上限は公表されていませんが、企業規模のSlackワークスペースでも安定して動作するよう設計されています。パフォーマンスに問題がある場合は、連携チャンネルを絞り込むことで改善可能です。
まとめ
Notion AIとSlackの連携は、情報検索や共有を効率化し、業務スピードとチーム連携を飛躍的に向上させます。
現在すでに、検索時間の大幅削減やナレッジ活用の自動化といった成果が出ており、今後も以下のアップデートが予定されています:
- プライベートチャンネル対応や複数ワークスペース連携
- GPT-4.1・Claude 3.7対応による検索精度の向上
- Microsoft TeamsやGmail等との連携強化
参考資料・関連リンク
- Notion AI connectors for Slack – Notion Help Center - Slack連携の公式設定ガイド
- Notion AI connectors – Notion Help Center - AIコネクター全般の公式ヘルプ
- Notion AI connectors for Slack - Slack連携の詳細機能説明
- 【2025年版】Notion AI完全ガイド|TEMPブログ - 2025年最新機能の包括的解説
- Notion AIの最新検索機能とエンタープライズサーチ|TEMPブログ - 検索機能の詳細分析
- SlackとNotionをAI活用ワークフローで連携|Hatenabase - 実践的な連携ワークフロー解説
- Notion AIとは?2025年最新情報|Kipwise - 料金プランと機能比較
- Notion AIの使い方ガイド|Kipwise - 基本的な使い方と活用法
- Notion AIを活用したSlack連携の実際|Note - 実際の導入事例と効果
- Notion AI導入レポート|Note - 企業での導入体験記
- Re-birth AI|Notion AI活用ブログ - AI活用の実践的アドバイス