社内Wikiは組織内で情報やナレッジを共有するのに最適な方法です。社内Wikiを活用することで、チーム全体のパフォーマンス向上を期待することができます。
しかし、いざ社内Wikiを作成しようと思っても、どこから始めればいいのか悩むところです。この記事では、社内Wikiの基本的な作り方を紹介します。また、作成すべきカテゴリのサンプルを部門別に見ていきましょう。
社内Wikiを一から構築するのは膨大な作業です。システム構築に多額のコストがかかってしまうこともあります。そのため、Kipwiseなどの社内Wikiツールを活用するのもいいですね。
社内Wikiに含めるべき内容とは?
社内Wikiを作る前に、どのような内容を含めたいか検討しましょう。包括的な社内ナレッジベースを構築したいなら、次の点を含めると良いでしょう。
社員全員が必ず知っておくべき基本的な情報
これは新しいメンバーを採用した際に、最初に伝えておきたい基本的な内容のことを指します。例えば、
- 会社のミッションや企業理念
- 社内規則やガイドライン
- Wifiパスワードなどのオフィスの基本利用に関する情報
などを含めることで、新社員の採用や引継ぎなどをスムーズに行うことができるようになります。
社内でよくある質問(FAQ)
チームのナレッジベースを構築する最適の方法は、質問があったたびにQ&A方式で社内Wikiに内容を追加していくことです。まずは社内で最も多く繰り返される質問は何か、考えてみましょう。また、メンバーの質問に対する答えが社内Wikiに既に存在しなければ、新しく情報を追加していきます。
チーム内のガイドラインやノウハウ
単にルールだけを記載するのではなく、チーム内のベストプラクティス(最も効果的な仕事方法)を共有することで、チーム全体のパフォーマンス向上を期待できます。
例えば営業チームの場合は、
- セールス・プレイブック
- 効果的な営業の事例集
- メールや文書のテンプレート
- カスタマーからのよくある質問とそれに対する答え
- 営業失敗の例とその分析
などを社内Wikiに掲載するのも良いかもしれません。
チームのミーティングノートやメモ
ミーティングのノートをいつでも簡単に見返すことができるよう、ナレッジベースに追加するのがおすすめです。
- どのような話し合いが行われたのか
- どのようなけ決定がなされたのか
- どのような理由があって、決定がなされたのか
これらの内容を見返すことができれば、目標を見失うことなくチームとして仕事をすることができるようになります。
社内Wikiに記載すべき内容についてもっと詳しく知りたい人は、Kipwiseの導入事例やテンプレートギャラリーを参考にしてみてください。ナレッジベースをより効果的に構築するヒントを紹介しています。
社内Wikiの構築方法
社内Wikiを構築する方法は様々なものがあり、自社のニーズに応じて柔軟に対応することが重要です。しかし、効果的な社内Wikiを分析すると、特定のパターンがあることが分かります。
例えば、社内Wikiのトップフォルダはチームの部門構成に応じて設定するのが良いでしょう。例えば、
- マーケティング
- セールス
- カスタマーサクセス
- 商品開発
- デザイン
- エンジニアリング
- 人事
- 組織全体
というように、部門ごとにフォルダ分けすることで、必要な情報が見つけやすくなります。また、アクセス権限の設定もより容易になります。
各部門のフォルダ内では、部門内の機能別にサブカテゴリを作っていきます。以下では、サブカテゴリのサンプルを部門別に見ていきましょう。
マーケティング
マーケティング部門では、例えば次のような内容を社内Wikiに含めるとよいでしょう。
- マーケティングチームへようこそ:新しいチームメイトを迎え入れるための資料。マーケティング部門の構成、部門特有の確認事項、他の部門との関りについてなどを説明します。
- マーケティング部門の目標と統計:マーケティングチームが設定しているゴール目標(四半期ごと・毎月)と、パフォーマンスを記録・分析した統計情報を含めます。
- テクノロジー関連:マーケティング部門が使用するツールと、各ツールの詳細を説明するドキュメント類。
- スタイルガイド&ロゴ類:コピー作成のためのスタイルガイドに加え、よく使うロゴ画像・ビジュアル・ビデオ・レビューなどをまとめて保管。チーム内のマーケティングの一貫性を保つのに役立ちます。
- SEO:キーワードリサーチやSEO戦略、SEO分析結果など、SEO関連の内容。
- コンテンツマーケティング:コンテンツカレンダー、ブログ記事の下書き、白書など。コンテンツ作成にかかわる人が知っておくとよい内容をまとめましょう。
- Webサイト:Webランディングページの下書きや、A/Bテスト計画など。
- ミーティングノート:部門内ミーティングのメモやノートなど。
セールス
セールスチームのサブフォルダには、次のようなものがあるかもしれません。
- 営業部門へようこそ:新しいチームメイトを迎え入れるための資料。営業部門の構成、部門特有の確認事項、他の部門との関りについてなどを説明します。
- セールス部門の目標と統計:セールス部門が設定しているゴール目標(四半期ごと・毎月)と、パフォーマンスを記録・分析した統計情報を含めます。
- テクノロジー関連:営業部門が使用するツールと、各ツールの詳細を説明するドキュメント類。
- 営業のプロセス:営業のプロセスの概説に加え、見込み客を絞り込む方法、経験豊富なメンバーのノウハウ、自分の学習を記録し将来に活かすための方法を開設した文書を含むとよいでしょう。
- 市場の見通し
- カスタマー分析:求めるカスタマー像たターゲット層の分析に加え、カスタマーからのよくある質問や苦情対応の方法など。
- 競合他社の分析:競合事業のオーバービューに加え、主な競合ビジネスの個別分析をまとめます。
- ピッチに役立つリソース
- テンプレート類:よく使うメールのテンプレートやデモ用スクリプトなど。
- ミーティングノート:部門内ミーティングのメモやノートなど。
カスタマーサクセス(CS)
カスタマーサポートやカスタマーサクセス(顧客の成功体験を積極的に高めることを目指す、略称CS)チームの場合、次のような社内Wikiのカテゴリが考えられます。
- CS部門にようこそ:新しいチームメイトを迎え入れるための資料。CSの構成、部門特有の確認事項、他の部門との関りについてなどを説明します。
- CSチームの目標と統計:CSが設定しているゴール目標(四半期ごと・毎月)と、パフォーマンスを記録・分析した統計情報を含めます。
- テクノロジー関連:部門内で使用するツールと、各ツールの詳細を説明するドキュメント類。
- ユーザーオンボーディング:継続的なユーザーを育てるユーザーオンボーディングのプロセスを解説したドキュメントなど。離脱リスクの高いユーザーを見極める方法、ユーザーの離脱を防ぐためのアプローチ方法などをまとめます。
- カスタマーサポートのプロセス:カスタマーサポートの工程を解説。特に優先度の高い問題を見極める方法や、クレーム・問題・リクエストなどをまとめたデータベースのようなものがあると良いかもしれません。
- 製品FAQ:プロダクトに関してよくある質問とそれに対する回答
- トラブルシューティングガイド
- ミーティングノート:部門内ミーティングのメモやノートなど。
プロダクト開発部門
プロダクトチームは、次のような内容の社内Wikiページを検討してみましょう。
- プロダクトチームへようこそ:新しいメンバーを迎え入れるための資料。商品開発部門の構成、部門特有の確認事項、他の部門との関りについてなどを説明します。
- プロダクト部門の目標と統計:プロダクト部門が設定しているゴール目標(四半期ごと・毎月)と、パフォーマンスを記録・分析した統計情報を含めます。
- テクノロジー関連:部門内で使用するツールと、各ツールの詳細を説明するドキュメント類
- プロダクトロードマップ:プロダクトマネジメントの過程を可視化した概説的なロードマップに加え、短期間のプランもまとめると効果的です。
- プロダクト要求仕様書(PRD):プロダクト要求仕様書(PRD)を一カ所にまとめておくことで、各機能が満たすべき条件を簡単に検索できるようになります。
- スプリントプランニングと反省:スプリントプランニングに関わるドキュメントをまとめます。また、スプリント計画後の反省ミーティングのまとめも一緒に保管しましょう。
- 将来のローンチ:ローンチチェックリストのテンプレートを作成しておくと、将来のローンチ計画がスムーズに行えます。
デザイン部門
デザインチームの社内Wikiにとっては、次のようなサブカテゴリが考えられます。
- デザインチームへようこそ:新しいメンバーを迎え入れるための資料。デザイン部門の構成、部門特有の確認事項、他の部門との関りについてなどを説明します。
- デザイン部門の目標と統計:デザイン部門が設定しているゴール目標(四半期ごと・毎月)と、パフォーマンスを記録・分析した統計情報を含めます。
- テクノロジー関連:部門内で使用するツールと、各ツールの詳細を説明するドキュメント類
- スタイルガイド&ロゴ類:デザイン作成のためのスタイルガイドに加え、よく使うロゴ画像・ビジュアル・ビデオなどをまとめて保管。ブランディングの一貫性を保つのに最適です。
- デザインプロジェクト:各種デザインプロジェクトのプランニングやノート類。
- ミーティングノート:部門内ミーティングのメモやノートなど。
エンジニアリング部門
エンジニアのチームにとっては、次のような内容があると便利でしょう。
- エンジニアリング部門へようこそ:新しいメンバーを迎え入れるための資料。部門の構成、部門特有の確認事項、他の部門との関りについてなどを説明します。
- エンジニアリング部門の目標と統計:チームで設定しているゴール目標(四半期ごと・毎月)と、パフォーマンスを記録・分析した統計情報を含めます。
- テクノロジー関連:部門内で使用するツールと、各ツールの詳細を説明するドキュメント類
- エンジニアリングプロセス:コードレビューやQAテスト、デプロイの過程などを解説した資料を保存します。
- 反省点:エンジニアリングチームの反省会などで出た点をまとめたノート類など。
人事部門
人事部門の社内Wikiは、次のように構成するとよいかもしれません。
- 人事部門へようこそ:新しいメンバーを迎え入れるための資料。部門の構成、部門特有の確認事項、他の部門との関りについてなどを説明します。
- 人事部門の目標と統計:チームで設定しているゴール目標(四半期ごと・毎月)と、パフォーマンスを記録・分析した統計情報を含めます。
- テクノロジー関連:部門内で使用するツールと、各ツールの詳細を説明するドキュメント類
- 人事部門のプロセス:採用や給与の支払いの過程や、社員の福利厚生の詳細をまとめたドキュメントなどを一カ所にまとめて保管しましょう。
- ミーティングノート:部門内ミーティングのメモやノートなど。
組織全体
各部門のフォルダに加えて、組織全体で共有する内容もあるかもしれません。組織全体で共有したい情報は、ここにまとめましょう。
- チームへようこそ:会社の組織構成や各メンバーの自己紹介など、新しく入社したメンバーが素早く馴染めるための情報を準備します。
- 企業理念とビジョン:組織のミッションステートメントを共有し、全メンバーが理解しているかどうか確認しましょう。会社の起業に関するストーリーなどをシェアしてもいいですね。
- CEOアップデート:役員による毎月・四半期ごとの最新情報を共有し、社員が簡単に参照できるようにします。
- 重要なお知らせ:会社全体が知っておくべき重要なお知らせやニュース。
- テクノロジー関連:会社全体で利用するツールの概説をまとめ、初めて使う人でも使い方をすぐに参照できるようにします。例えば社内チャットツールやビデオ会議のツールなど。
- オンボーディング:組織の全体的なオンボーディング計画や、オンボーディングチェックリストのテンプレートなどを共有。
- 社員ハンドブック:会社のポリシー、社内規則、福利厚生の概要、様々な書類のテンプレートなど、その企業に勤めるうえで知っておきたい重要な内容。
- オフィスの基本情報:オフィスに関して良くある質問をまとめておくと便利です。例えばWiFiパスワード、オフィスの住所、コーヒーメーカーやその他備品の使い方など。
アクセス権限に気を付けよう
上記で説明した社内Wikiの部門フォルダは、部門のメンバー全員、または社員全員で共有することを想定しています。多数の人のアクセスを可能にすることで、組織内の情報の共有を効率化することができます。
しかし、中には少数のメンバーだけで共有したいよりプライベートな内容の情報もあるかもしれません。例えば、
- 1対1のミーティングノート
- 社員のパフォーマンス評価
- 財政管理
- 社員採用時のスコアカード類
- 社員の個人情報や契約書類
こういった情報を社内Wikiに含める場合は、アクセス権限を設定することを忘れてはいけません。
ここまで、社内Wikiを構築する方法を、カテゴリのサンプルと共に詳しく見てきました。組織の構造や重要事項、また情報共有の範囲などは各ビジネスによって大きく異なります。サンプルを参考にして、自分のチームに最適な社内ナレッジベースを作りましょう。
社内Wikiを効果的に利用するコツ
社内Wikiを作成したら、社員に積極的に利用してもらうように促しましょう。せっかく社内Wikiを作っても、利用する人がいなければ意味がありません。社内Wiki公開後に、効果的に利用するには、次の点に注意するとよいでしょう。
- ナレッジ共有を優先事項とする:ナレッジ共有を優先的に扱い、社内Wikiの利用にインセンティブを与えると良いでしょう。例えば、新しい情報を共有した社員がいれば、Slackでシェアするなど。
- 使いやすさを重視:使いにくい社内Wikiは利用が定着しません。シンプルで簡単に使えるWiki作成を心がけましょう。また、様々なチャネル・手段でのナレッジ共有を行えるようにするのもおすすめです。
- 初日からナレッジ共有の文化を作る:新しいチームメイトを迎えたら、初日からナレッジ共有の文化に慣れさせましょう。社内Wikiの使い方を説明するパートナーを指名したり、新入りメンバーに新しいインプットを依頼したりするといいですね。
- リーダーがお手本となる:社内Wikiを作成したら、まずはリーダー自身が積極的に利用することが重要です。社員から質問を受けたら必ず社内Wikiに回答を掲載し、お手本となって利用を促しましょう。
- 最適なツールを使ってナレッジ共有を簡易化する:たくさんある社内Wikiツールの中から、自分のビジネスにとって最も使いやすいものを選ぶことが大切です。おすすめの社内Wiki10選の記事も参考してみてください。
Kipwiseで社内のナレッジ管理を効率化
Kipwiseは、現代のワークプレイスに最適な社内Wiki構築ツールです。Slack統合やブラウザー拡張機能が充実しており、Googleドライブ、Trello、Airtableなど、チームがすでに活用しているツールと統合してスムーズに利用することができます。
例えば、Kipwiseを使えば次のようなことができるようになります。
- 強力なSlack統合:ナレッジベースを作成し、必要な情報を検索するための便利なスラッシュコマンドを提供。Slackを離れることなく社内Wikiを作成することができます。
- リアルタイムコラボレーションエディタ:Kipwiseは豊富な埋め込みオプションを提供しており、複数のメンバーでドキュメントを同時に編集することができます。
- Chrome拡張機能:Chromeウェブアプリ使いながら社内Wikiに簡単アクセス。情報を検索するためにタブ間をジャンプする必要がありません。
- コンテンツレビュープロセス:社内Wikiの内容が常に最新・正確であることを保証するために、レビューアを設定するなど様々なプロセスを利用できます。
- 確認必須:コンテンツを「確認必須」に指定することで、割り当てられたメンバーがアラートを受信。誰がすでにコンテンツを読んだかを確認できます。
料金:ユーザーあたり月額3ドルからのプラン