リモートワークとは、オフィスなどの仕事場所に縛られず、チームメンバーがそれぞれ好きな場所から仕事を行う、新しい働き方のスタイルを指します。リモートワークの他にも、テレワークや在宅ワークといった言葉が使われることもあります。
リモートワークではチームメンバーが直接顔を合わせることがないため、コミュニケーションが取りづらかったり、上手く協調できなかったりといった問題が起こりやすくなります。
そんな時に便利なのが、リモートワークツールです。テクノロジーの力を使って、リモートワーク時の協調性を高め、チーム全体のパフォーマンス向上を目指しましょう。この記事では、用途別におすすめのリモートワークツールを紹介していきます。
チャットツール
リモートワークの最大の難点は、コミュニケーションが取りづらいこと。そのため、使いやすいチャットツール(インスタントメッセージ機能)の利用が欠かせません。チャットツールを使うことで、メンバー同士がより効率的にコミュニケーションを取ることができるようになります。
チャットツールのおすすめは、Slackです。Slackは世界で1000万人以上の利用者を誇るビジネス専用のメッセージアプリです。Slackでは、トピック別にチャンネルを作成し、ディスカッションを行うことが可能。情報とメンバーをチャンネル内にまとめることで、いつでも仕事内容にアクセスしたり、質問したりすることができるようになります。
さらに、Slackの充実したアプリディレクトリを使って、既に社内で使用している他のツールと連携することも簡単です。社内Wikiツールやナレッジベースと繋げることで、ワークフローをさらに効率化することができます。
Slackの他にも、Microsoft Teams, Chanty, Troop Messenger, Flockといったコラボレーションツールがあります。
ビデオ会議ツール
チャットはちょっとした質問や状況報告などに便利ですが、複雑な問題はやはり直接話し合って解決したいもの。テレワーク時の会議やミーティングにはビデオ通話ツールが欠かせません。
ビデオを使えば、チームメンバーの表情を読み取ることができるため、メンバー同士の中を深めることにも役立ちます。ビデオであっても、定期的に顔を合わせなければ、チームという意識が薄れてしまいます。
おすすめのビデオ会議ツールとしては、GoToMeeting, Zoom, join.me, Wherebyなどが挙げられます。これらは全てSlackと統合することができるので、簡単なSlackコマンドを使うだけで簡単にミーティングを作成することができるようになります。
プロジェクト管理ツール
リモートワークでは、個人がそれぞれの作業に集中するあまり、プロジェクト全体の進捗を見失ってしまいがちです。プロジェクト管理ツールを使うことで、タイムラインやタスク、進捗度の管理などをチーム内で共有することが可能になります。
プロジェクト管理ツールは特に使いやすさが重要になります。手軽に使えながらも機能豊富なプロジェクト管理ツールとしてはTrello, Asana, ProofHub, monday.comなどが挙げられます。
ミーティング/ステータスレポートツール
プロジェクト管理ツールは、特定のプロジェクトの詳細を管理するのに最適です。しかし、誰が毎日具体的に何をしているのかを一目で把握するのには向いていません。そのため、ミーティングの内容や日報(ステータスレポート)を管理する専用のツールがあると便利です。
毎日のステータス管理におすすめのツールには、StatusHero, I Done This, Standuplyなどがあります。これらのツールは、プロジェクト管理ツールと組み合わせて利用するとより効果的です。
例えば、Status Heroを使うと、Slackなどチャットを通して毎日簡単な質問(昨日の成果、今日の目標など)に答えるフォームを作ることができます。リーダーは全員の回答をまとめてStatus Heroで簡単に確認します。Status Heroは他にもGitHub, Jiraといったアプリとのインテグレーションも充実しています。
休日管理ツール
休日の充実している会社(例えばKipwiseのように)であっても、休日管理ツールがあると非常に便利です。誰がいつ、どのくらいの期間席を外すのか事前にしっかり理解していれば、引継ぎや計画がより簡単にできるようになります。
absence.ioやTimetasticといったツールを使うと、チームメンバーも休暇を取りやすくなるはずです。両者ともSlack連携が可能で、Slacを離れることなく休暇をリクエストしたり、休暇予定をカレンダーにまとめることができるようになります。
ナレッジ共有ツール
リモートワークではメンバーが離れた場所にいるため、ちょっとした質問をするのも一苦労です。そのため、社内のナレッジや重要な情報、ノウハウ、FAQなどを、どこからでもアクセスできるようにまとめておくことが重要です。
そのため、効果的なナレッジ共有ツールを導入することは非常に重要となります。ナレッジ共有ツールは仕事を効率化するだけでなく、各メンバーのスキルアップとパフォーマンス向上にも効果を発揮するはずです。
最新のナレッジ共有ツールとしては、Kipwise, Tettra, Slabなどが挙げられます。これらはすべてSlackやGoogle Drive, Githubなどの文書管理ツールと強力に連携可能。ワークフローを乱すことなく、情報を保存したり、情報にアクセスしたりすることができるようになります。
チームカルチャー/チームビルディング
リモートワークであっても、チーム特有の文化とミッションを維持したいもの。実際に顔を合わせることがないからと言って、チームの一員であるという感覚がなければ、効果的に仕事を進めることはできません。
また、チームカルチャーは仕事の効率性だけでなく、メンバーが楽しんで仕事をするためにも重要です。そのため、チームカルチャーはリモート社員のための「UX(ユーザーエクスペリエンス)」のようなものであると考えてもいいでしょう。
Donutはチーム内の交流を深めるためのSlackアプリです。Donutはあまり交流のない社員同士を定期的にチームアップ。メンバー同士の仲を深め、信頼関係を築くのに効果的です。
同じくSlackアプリであるDiscoを使うと、仲間に星をつけて評価することができるようになります。肯定的なフィードバックは社員のやる気を引き出し、より良い仕事環境を作るのに効果的です。
フィードバック/パフォーマンス評価
社員のやる気とモチベーションを維持するには、適宜そのパフォーマンスを評価し、フィードバックとアドバイスを与えることが重要です。チームリーダーは、フィードバックツールを使うことで、どの社員がどのようなコメントを必要としているか、一目で簡単に把握できるようになります。
15fiveは週単位でチェックインを促すパフォーマンス評価ツールです。単にリーダーによるコメントを可能にするだけでなく、それに対する社員の反応を集めるのも簡単です。さらに15fiveを使えば、社員はチームのリーダーや役員、上司とコミュニケーションを取りやすくなるはずです。
エンゲージメント管理
リモートワークはつい社員の生産性が停滞しがちです。メンバーのエンゲージメントを最大限に保ち、コミュニケーションを促すツールがあると便利ですよね。
従業員エンゲージメントツールは、単なるチャットツールではありません。ソリューションでのコラボレーション、コミュニケーションの明確化、全員がチームの一員のように感じられるようにするのに役立ちます。 また、従業員が組織やチームとのつながりを感じられるようにするために適切なフィードバックを提供します。
Blinkのようなツールを使用すると、カスタマイズ可能なアクティビティフィード、サードパーティの統合、統合検索、リアルタイム通知など、従業員がプロジェクトで相互にやり取りしたり、タスクで共同作業したりするための様々な機能を利用できるようになります。
時間管理ツール
リモートで働くフリーランサーや業務委託などを行っている会社も多いと思います。特に時間単位で給与を支払う必要がある場合は、時間管理ツールが必要になります。
時間管理ツールを利用すると、どのタスクにどれだけの時間がかかったのかを把握できる、という利点もあります。使いやすい時間管理ツールとしてClockifyやTime Doctor等がおすすめです。
スクリーン共有ツール
テレワークをしていると、同僚を呼んで自分のパソコンのスクリーンを見せる、といったことができません。新しいアイディアがある時、バグを見つけた時、解決法をシェアしたいときなど、スクリーンをシェアできると便利ですよね。
スクリーン共有ツールを使えば、簡単にスクリーンショットや画面の動画を撮影し、メンバーと共有できるようになります。コメントも挿入できるので、画像だけを共有するよりも分かりやすくなります。
おすすめのスクリーン共有ツールとしては、Awesome Screenshot, Recordit, StoryXpress Recorderなどが挙げられます。
デザインツール
マーケティング、ブランディング、事業開発などをリモートチームで行う場合、プロセス全体を通じて明確な方向性を維持し、適切なフィードバックを共有する必要があります。
デザインコラボレーションツールは、プロジェクトマネージャー、デザイナー、コンテンツクリエーターが協力して、最終製品が目指しているものになるようにするためには、不可欠であるといえます。
Vismeは優れたデザインコラボレーションツールの1つです。Vismeを使えば、リモートチームが魅力的なコンテンツを共有、コメント、整理、作成できるようになります。
包括的なプラットフォーム
ここまで、様々なリモートワークツールを紹介してきました。しかし、目的別にそれぞれ別のツールを使うのは、なかなか面倒ですよね。そこで、1つのプラットフォーム上で多くを管理できる包括的なツールの利用を考えても良いでしょう。
たとえば、RemoteTeam.comを使用すると、給与や休暇の管理、毎日のチェックイン、プロジェクト管理などをすべて同じプラットフォームで維持できます。
まとめ
以上、リモートワークにおすすめのツールを目的別に見てきました。ここで紹介したアプリは、リモートチームコラボレーションツールのほんの一部です。自分のチームのニーズを的確に把握して、最適なツールを見つけることが重要です。そのために、多くのツールを比較検討してみましょう。
効率的なリモートチームを構築することは簡単なことではありません。しかし、リモートチームコラボレーションツールを賢く利用することで、一歩近づくことができるはずです。自分のチームにぴったりなリモートワークツールが見つかるといいですね。